041コルベスさま

 041コルベスさま

現代語訳:Relax Stories TV



昔、雄鶏と雌鶏がいて、一緒に旅をすることにしました。雄鶏は、四つの赤い車輪がついた美しい車を作り、それに四匹のネズミをつなぎました。


雌鶏は雄鶏と一緒にその車に乗り、一緒に出発しました。途中で猫に出会い、猫は、「どこに行くの?」と尋ねました。雄鶏は、「コルベスさんの家に行くところだ」と答えました。


「一緒に連れて行ってよ」と猫が言いました。雄鶏は、「もちろんだ。後ろに乗って。前だと落ちるかもしれないから。赤い車輪を汚さないように気をつけてね。車輪たちよ、転がれ。ネズミたちよ、チューチュー鳴け。僕たちはコルベスさんの家へ行くところだ」と言いました。


その後、石臼が来て、それから卵が、それからアヒルが、それから留針が、最後に針が来て、みんな車に乗り、一緒に行きました。


しかし、コルベスさんの家に着くと、コルベスさんは留守でした。ネズミたちは車を納屋に入れ、雌鶏は雄鶏と一緒に止まり木に飛び、猫は暖炉のそばに座り、アヒルは井戸の柱の上に座りました。卵はタオルの中に転がり込み、留針は椅子のクッションに刺さり、針はベッドに飛び乗り枕の真ん中に刺さり、石臼は戸の上に寝転びました。


それからコルベスさんが帰ってきて、暖炉のところに行き、火をつけようとしたら、猫がコルベスさんの顔に灰を投げつけました。コルベスさんはその灰を洗い落とそうと大急ぎで台所へ走っていきました。するとアヒルが顔に水をはねつけました。コルベスさんは水をタオルで拭こうとしましたが、卵が転がってきてぶつかり、壊れて両目をのりでくっつけてしまいました。


コルベスさんは休もうと思い、椅子に座りました。すると、留針が刺しました。コルベスさんは怒って、ベッドに寝転がりましたが、枕に頭をのせた途端、針が突き刺しました。それでコルベスさんは大声で悲鳴を上げ、怒って広い世界へ走り出て行こうとしましたが、家の戸口に来ると、石臼が落ちてきて、コルベスさんをつぶし殺してしまいました。


コルベスさんはきっととても悪い人だったに違いありません。


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