赤ずきん

 026赤ずきん

現代語訳:Relax Stories TV



昔、ある土地に小さくて可愛い女の子がいました。その子は一目見ただけで誰でも心を奪われるほどの子で、特に一番その子を可愛がっていたのはおばあさんでした。おばあさんはその子の顔を見ると何でもしてあげたくなり、何をしてあげたらいいのか迷ってしまうほどでした。


ある時、おばあさんはその子に赤いビロードの可愛い頭巾を作ってあげました。それがその子にとても似合ったので、それ以来、他のものは全く被らなくなりました。それで、その子はみんなから「赤ずきん」と呼ばれるようになりました。


ある日、お母さんが赤ずきんを呼んで言いました。

「赤ずきん、ちょっと来て。ここにお菓子が一つと、ワインが一本あるでしょ。これをおばあさんのところへ持って行ってあげて。おばあさんは病気で弱っているけど、これを食べれば、きっと元気になるわよ。それじゃ、暑くなる前に行ってね。それからね、外に出たら、礼儀正しく歩いて行くのよ。横道に逸れて走ったりしないでね。そんなことをすれば、転んでワインの瓶を壊してしまって、おばあさんにあげるものが何もなくなってしまうからね。それから、おばあさんの部屋に入ったら、最初に、おはようございますって、挨拶するのを忘れないでね。そして、入ると同時に、周りをキョロキョロ見回したりしないでね。」


「大丈夫よ。」と、赤ずきんちゃんはお母さんに言って、約束の証として指切りげんまんをしました。


ところで、おばあさんの家は、歩いて村から半時間もかかる森の中にありました。赤ずきんが森の中に入ると、突然オオカミが現れました。しかし、赤ずきんは、オオカミが悪い生き物だということを全く知らなかったので、特に怖いとも思いませんでした。


「こんにちは、赤ずきんちゃん。」とオオカミが言いました。

「こんにちは、オオカミさん。」

「こんなに早い時間から、どこへ行くの?」

「おばあさんのところへ行くの。」

「エプロンの下に持っているのは、何?」

「お菓子とワイン。昨日、家で焼いたのよ。おばあさんが病気で、弱っているでしょう。これを飲食すれば、元気になるからよ。」

「おばあさんの家はどこなの、赤ずきん。」

「もっと森の奥で、まだ15分ぐらいかかるの。大きなカシの木が三本立っているその下に、おばあさんの家があるのよ。周りには、クルミの生垣があるわ。あなた、知っているでしょう。」

と、赤ずきんは言いました。

オオカミは心の中で考えました。「若くて柔らかそうな少女、この子は美味しそうだな。おばあさんより美味しいだろう。よし、何とかして、二人とも食事にしよう。」


そこで、オオカミは、しばらくの間赤ずきんと並んで歩いていきましたが、やがて、「赤ずきん。まあ、周りに咲いている美しい花を見てごらんよ。君は、なぜ、周りを見回さないんだい。ほら、小鳥があんなに可愛い声で歌を歌っているんだよ。でも、それも君の耳には入らないみたいだね。君は、学校へでも行くように、真っ直ぐ前だけを見て歩いているね。森の中は、こんなに楽しいのになあ。」と言いました。


赤ずきんは、言われた通りに目を上げてみると、太陽の光が木々の間から漏れてきて、あちこちで輝いていました。そして、周囲には美しい花々が咲き乱れていました。それを見て、赤ずきんは思いました、「おばあさんに、新しく摘んだ花で花束を作って持って行ったら、きっと喜んでくれるだろう。まだこんなに早い時間だから、間に合うはずだ。」


そうして、赤ずきんは道を外れて、色々な花を探しながら、森の奥へと進んでいきました。そして、花を一つ摘むたびに、もっと先に行けば、もっと美しい花があるような気がしていました。


こうして、花から花へと探しながら歩いているうちに、だんだんと森の奥へと進んでいきました。


狼はその間に、直接おばあさんの家へと向かい、ドアをノックしました。「誰ですか?」とおばあさんが尋ねると、「赤ずきんです。お菓子とワインを持ってきました。ドアを開けてください。」と狼が答えました。「ドアノブを押してください。」とおばあさんが大きな声で言いました。「おばあさんは体が弱っていて、起きられないんですよ。」


狼がドアノブを押すと、ドアが勢いよく開きました。狼は何も言わずに、いきなりおばあさんのベッドのところへ行って、おばあさんを一口で飲み込んでしまいました。


それから、おばあさんの服を着て、おばあさんの頭巾をかぶって、おばあさんのベッドに横になり、ベッドの周りのカーテンを閉じておきました。


一方、赤ずきんは相変わらず花を探して、駆け回っていました。そして、これ以上一本も持てなくなるまで花を集め、やっとおばあさんのことを思い出しました。そこで、急いでおばあさんのところへ行くことにしました。


赤ずきんが家の前まで来てみると、おばあさんの家のドアが開いていました。赤ずきんは何かおかしいと思いながら、部屋に入りました。すると、何となく、中の様子がいつもと違っているような気がしました。赤ずきんは思いました、「あれ、どうしたんだろう。今日は、何だか気分が悪いな。いつもなら、おばあさんの家に来ると、とても楽しいのに。」


それから、大きな声で、「おはようございます。」と呼んでみましたが、何の返事もありませんでした。そこで、ベッドのところへ行って、カーテンを開けてみました。すると、そこにはおばあさんが横になっていましたが、頭巾をしっかりと顔までかぶっていて、いつもと違った、変な姿をしています。

「あら、おばあさん、おばあさんの耳は大きいのね。」

「君の言うことが、よく聞こえるようにさ。」

「あら、おばあさん、おばあさんの目は大きいのね。」

「君がよく見えるようにさ。」

「あら、おばあさん、おばあさんの手は大きいのね。」

「君をよく掴めるようにさ。」

「でも、おばあさん、おばあさんの口は怖いほど大きいのね。」

「君がよく食べられるようにさ。」

狼はこれを言い終わるか終わらないうちに、いきなりベッドから飛び出して、かわいそうな赤ずきんちゃんを、パクリと一口で飲み込んでしまいました。

狼は、お腹がいっぱいになると、またベッドに潜り込んで、眠ってしまいました。そして、物凄いいびきをかき始めました。ちょうどその時、猟師が家の前を通りかかりました。そして、「おばあさんが、恐ろしいいびきをかいてるが、どうしたのだろう。見てみなければ。」と思いました。

そこで、猟師は、部屋の中へ入りました。そして、ベッドの前まで行ってみると、そこには狼が寝ているではありませんか。


「こいつめ、とうとう見つけたぞ!よくも長い間騒がせてくれたな。」と、猟師は言いました。

そして、すぐに銃を向けようとしましたが、その時猟師は、狼がおばあさんを飲み込んでいるかもしれない、そして、もしかしたら、おばあさんの命はまだ救えるかもしれないと、思いつきました。それで銃を撃つのはやめにして、はさみを取り出して、眠っている狼のお腹を、ギリギリと切り始めました。

二つばかり切ると、赤い可愛いずきんが、ちらっと見えてきました。もう二つばかり切ると、女の子が飛び出してきました。そして、「ああ、びっくりしたわ。狼のお腹の中って、真っ暗ね。」と、大きな声で言いました。

それから、おばあさんもまだ生きていました。でも、おばあさんは弱って、やっと息をしていました。

赤ずきんちゃんは、すばやく大きな石をたくさん持ってきて、それを狼のお腹の中に詰めました。

やがて、狼は目を覚まして、飛び出そうとしましたが、石があまりに重いので、すぐにその場に倒れて、死んでしまいました。

これを見て、三人は大喜びです。猟師は、狼の毛皮を剥いで、それを家へ持って帰りました。

おばあさんは、赤ずきんちゃんが持ってきてくれたお菓子を食べ、ワインを飲みました。それで、またすっかり元気になりました。

でも、赤ずきんちゃんは、「これからは二度と、一人で、森の中の横道に入っていくようなことはしないようにしよう。お母さんがダメだと言ったんだもの。」と、考えました。


別のこんな話もあります。ある時、赤ずきんちゃんがおばあさんにケーキを持って行った時、別の狼が話しかけてきて、赤ずきんちゃんを道から外そうと誘いました。しかし、赤ずきんちゃんは警戒して、まっすぐ道を進み、おばあさんに、「狼に会ったの、狼がおはようと言ったけど、目つきがとても悪かったわ、みんなの歩く道にいなかったら、きっと私を食べていたでしょうね。」と話しました。

「それなら」とおばあさんは言いました。「狼が入って来ないようにドアを閉めましょう。」

その後すぐに、狼がドアを叩き、「おばあさん、ドアを開けて、赤ずきんちゃんよ、ケーキを持って来てるの。」と叫びました。

しかし、二人は返事もせず、ドアも開けませんでした。


それで灰色の狼は家の周りを2、3回忍び歩き、とうとう屋根に飛び乗りました。

そこで待っていて、赤ずきんちゃんが夕方に家に帰るとき、こっそり後をつけ、暗闇に紛れて食べようと思ったのです。

しかし、おばあさんは狼の心の中を知っていました。それで赤ずきんちゃんに言いました。「赤ずきんちゃん、家の前に大きな石のこね鉢がある。手桶を取ってきて。昨日ソーセージを作ったんだよ。私がソーセージを茹でたお湯をこね鉢に運んでおいで。」

赤ずきんちゃんは大きなこね鉢がすっかりいっぱいになるまでお湯を運びました。

するとソーセージの匂いが狼に届き、狼は鼻をヒクヒクさせ、下を覗き、首を伸ばしすぎたので、足で支え切れなくなり、滑り出し、屋根からまっすぐ大きなこね鉢に滑り落ちて、溺れてしまいました。

赤ずきんちゃんは楽しく家に帰り、誰も二度と赤ずきんちゃんに悪さをするものはいませんでした。


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