039小人のくつ屋さん
039小人のくつ屋さん
現代語訳:Relax Stories TV
ある場所に、靴職人がいました。彼は何も悪いことをしていないのに、お金がなく、一足の靴を作るだけの皮しか残っていませんでした。
ある夜、彼は次の朝に作業を始めるために皮を切り出しました。彼は心の優しい人だったので、ベッドで横になりながら、静かに祈り、眠りにつきました。
朝になって、祈りを終えて、仕事を始めようとしたところ、一足の靴がすでに完成していて、机の上に立てられていました。彼は驚き、何も言えずに、近くで靴を見てみました。それは素晴らしい出来の靴で、縫い目も一つ一つが完璧で、まるで職人の手によるもののようでした。すぐに、お客さんが来て、大満足で、余分にお金を支払ってくれました。
その結果、今度は二足分の靴を作るための皮が買えました。そして夜になり、次の朝、新たな気持ちで作業を始めようと皮を切り出しました。しかし、その手間は無駄でした。なぜなら、起きたときにはすでに靴が完成していたからです。お客さんにとっても満足で、お金がたくさん入ってきて、次には四足分の靴を作るための皮が手に入りました。さらに次の朝早くには、完成した四足の靴があり、この調子がどんどん続きました。夜に皮を切り出しておけば、朝には自動的に完成していました。すぐに生活も立ち直り、とうとうお金持ちになりました。
クリスマスも近いある夜、皮を切り終えた靴職人は、ベッドに入る前に奥さんに言いました。
「今夜は試しに起きて、誰が助けてくれているのか確認してみましょう。」
奥さんも同意し、明かりをつけておくことにしました。部屋の隅に隠れて、自分たちの前には服をかけておき、そこから覗き見ることにしました。
すると夜が更けた頃、目に飛び込んできたのは、二人の小人で、服は何も着ておらず、靴職人の作業台の前に座り、準備を始め、まずは縫い始め、ちくちくとんとん、小さな指で巧みに素早く、靴職人も目を離せず、息を呑んでしまいました。手を止めずに、やがて完成すると、机の上に立てて、ぴょんと跳び降りて走り去っていきました。
次の朝、奥さんが靴職人に言いました。
「あの小人たちが、私たちをお金持ちにしてくれたのですから、お礼をしなければなりませんよ。走り回っているのに、何も身につけるものがないので、寒そうです。いいですか、小さな下着に、上着に、それからチョッキとズボンを縫いましょう。それに一足ずつ、靴下も縫いましょう。あなたはそれぞれに、靴を一足、作ってあげてください。」
夫も、ぜひともということで、その夜、仕事を終えると、切り出した皮の代わりに、心を込めた贈り物を、机に並べておき、小人たちがどう反応するか、見てみることにしました。
夜が更けて、飛び込んできた小人たちは、さあ仕事と思ったところ、見つけたのは皮の切れ端ではなく、ぴったりと体に合ったきれいな服。小人たちは驚き、立ちすくみましたが、すぐに喜び、試着してみました。そわそわと動き回り、素敵な服を手に取って着ると、歌を歌ってくれました。
さ 僕たちも おしゃれさん!
もう 靴職人は 必要ない!
そして小人たちは、足踏みしながら踊り回り、椅子に机に跳ねて、とうとうドアから踊り出て行きました。その時以来、小人たちは現れなくなりましたが、生きている間、靴職人は何でもうまくいきましたし、やることもすべて大成功でした。
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